2024.06.10
売出し価格と『3種類の価格』
売出し価格は、不動産会社の査定価格を参考にしていただきながら、売主様自身に決めて頂きます。
ただ、査定価格を参考にして頂く前に、査定方法の『弱点』があることを知って頂きたいです。
◆査定方法の弱点は・・・
不動産会社が査定する時は、ほぼ『取引事例比較法』という方法が用いられます。近隣の条件が似ている物件の過去の成約事例を根拠に査定額を算出します。成約事例という事実をもとに算出する為、中立的かつ実質的な価格の算出が可能ですが、次のような弱点があります。
⓵成約事例が少ないと精度が落ちる⇒事例の数が多ければ多いほど査定価格の精度は上がりますが、事例の数が少ないと時期やエリアによっては査定の精度が下がってしまいます。
⓶過去の事例の『背景』が不明⇒物件を売却した人の『理由』や『意向』まではレインズなどの情報を見ても分かりません。高額売却を目指して長時間かけてやっと売却出来たケースもあれば、早急に売却をしたい事情があり、相場よりも安く売ったケースもあります。そのため、過去の成約事例が必ずしも『相場』とは言い切ることは出来ず、やはり相場との乖離がある可能性があります。
◆『3種類の価格』を考えておく
前述のような『査定方法の弱点』がある為、査定価格は『絶対』とは言えない中で、売出し価格を考える上では『売主様の希望』を含めた価格を加味して考えて頂きたいです。
もちろん、ご希望の価格で売れるとは限りません。しかし、査定価格とその根拠を聞くと『これくらいで売りたい』という希望価格が見えてくるものです。 また、『この金額以上で絶対売りたい』という下限もあると思います。
〇売りたい価格・・・できればこの位の価格で売れたら嬉しい価格
〇売れる価格・・・(基本的に)不動産会社の査定価格 ※査定価格は概ね3ヵ月以内の成約を目指す価格
〇売らなければならない価格・・・住宅ローンの残債やこの金額以下は売りたくない価格
◆大事だと思うこと・・・
あくまで査定価格は参考値であり、売主様の意向や思いを優先して頂きたいということです。売れる見込みの無い金額を希望されている場合には適切な根拠をお伝えし、適正価格をお伝えさせて頂く事もありますが、まずは『ご希望』をお聞かせください。ご希望に合った形でご売却を目指していきましょう!
不動産のご売却をお考えの際は ライズリアルエステートまでご相談ください。